
三代目棟梁のこだわりと決意
家は買うものではなく建てるもの。お客様と一緒に造っていくものだ
これは私の祖父でもある先代棟梁の口癖でした。
家づくりに携わる職人さんが総出で行っている上棟式の現場には子供の頃から数えきれないほど連れていかれましたし、木の香りがする作業場で柱や梁を加工する祖父や父の姿を目の前で見てきました。
上棟式での男らしく勇ましい姿は、私の憧れでした。
何よりお施主様が笑顔でそのお施主さまから感謝されている先代や父の姿は本当にかっこよかったのです。
高校生になると夏休みや冬休みには、同級生を誘って父の現場でアルバイトをするようになっていました。
なるべくして建築の道に進んだ私は専門学校を卒業してゼネコン会社に就職をしました。そこで、ビルやマンションの現場監督を経験しました。
しかし、その仕事は私にとって違和感の毎日でした。
『何か違う??』 コンクリートの無機質な建物と誰が住むかもわからないテナントビルやマンシ ョンを会社から渡された図面通り造るだけの毎日に楽しさなど感じませんでし た。 『祖父や父が建てていた木の香りがする家を、住む人の顔が見える形で自ら建 ててみたい』と思ったのはこの頃でした。
私は父にお願いする形で、父の元で大工として働き始めたのです。
家づくりで『大工』のする仕事は本当に多岐にわたります。
家づくりのすべてをわかっていないと出来ない仕事だと痛感させられました。
棟梁が棟梁と呼ばれる所以を父が仕事をする背中を見て理解出来ました。
時代の変化
私が父の元へもどる数十年も前から、ハウスメーカーや不動産屋さんが家を建てるという時代が始まっていました。
この頃でしょうか?
子供がお父さんに『パパ! 友達の○○君も家を買ったから僕の家も買ってよ』と 言いはじめたのは・・・。
はっきり言います。『家は買うものではありません。』『家は工業製品ではあ りません。』『人が手作業で建てるものです。』
ハウスメーカーの中には『わが社の家(商品)はほとんど工場で作ってしまい ますので、品質は間違いございません』と言う会社もあるそうですが、実際に お客様の土地でそれを組み上げるのは『人』ではないですか? 家づくりで一番重要なのは『どんな家を建てるかではなく、誰が建てるのか』 が最も肝心なのです。それはリフォーム工事でも全く同じことが言えます。 つまり誰に頼むかでリフォームが成功するか否かはすでに決まっていると言っ ても過言ではありません。
どんなに優秀な営業マンでもどんなに立派な不動産屋やハウスメーカーの経営 者でも現場に出向き実際に現場作業に携わる人を見ることは皆無です。 その現場で実際に作業する職人の技術によって家の良し悪しが決定することは 周知の事実にも関わらず・・・。
特にリフォームでは尚更のこと。家の構造や家づくりのイロハがわかっていないと出来ない仕事ではないでしょうか? せっかく居心地の良い空間を作ろうと前向きに行った夢のリフォームが欠陥リフォームになっては本末転倒です。
責任の所在
欠陥住宅の訴訟では、責任の所在が裁判の争点になっています。 欠陥の原因(または、お客様の不満の原因)を作ったのは誰かということです。もちろん、請負った会社ということになるのですが、メーカーの営業マンとの打ち合わせで決定したものなのに実際には全く違うものが取り付けられていたとか、経営者との口約束ではこの工事はサービスだったはずなのに不当な請求書 が送られてきたなどという話は、よく耳にします。
何故このような話がなくならないのでしょうか?建築業界が生んだ請負いシステムに問題があると私は考えます。
大手のハウスメーカーや不動産ビルダーでは、当たり前に行われていることなのですが、用は元請・孫請け・ひ孫請けのような下請システムです。住宅メーカーが、営業工務店(営業マンを抱えた工務店の事)に発注し、そこから手間請け専門の職人に仕事を流す。住宅メーカーの下に数社のビルダーや営業工務店が入るというカラクリをお客様である建て主へ伝えていないのが事実です。
建築請負において丸投げ工事は禁止されていますので、あからさまにこのよう な行為はないと思いますが、未だに少々グレーゾーンです。また坪単価表示で 契約を交わすようなことは最近なくなりましたが、わかりやすく言えば『坪60万円でお客様から仕事を請けた住宅メーカーが孫請けに坪45万円で発注し職人には35万円で家を建てさせる』という構図です。お客様は坪単価60万円を出して実際には坪35万円の家に住んでいるというこ とになります。
こんなカラクリをしゃべってしまっている私の会社にも住宅メーカーから下請けで仕事をしてくれないかと問い合わせをしてきます。
当然私の返事は即答で『NO!』
自分で請け負った家は自分で建ててみろ!です。
坪35万円で建てられた家に坪60万円を出して住むお客様が笑顔になるはずがありません。
リフォームは大工を中心にしたチームワーク
リフォーム工事は各職人が与えられた工事を自分の責任において丁寧かつ正確に次の職人へバトンを渡す作業の繰り返しです。一人のミスも許されません。また、ミスがあればそれは最高責任者の責任となります。
ここでは大工棟梁である私です。
ですから、私と仕事をする職人達は私の理想とする職人以外使えません。
私が業者選定をする際に常に心がけていることは、会社へ発注するのではなく『人』に依頼するということです。
弊社の協力業者の中には、たくさん職人を抱えている業者もありますが、私はいつも職人を指名します。出来れば一人親方が一番信用に値します。
何故って責任の所在がはっきりしているからです。
誰が造った基礎なのか、誰が塗った壁なのか、だれが取り付けた建具なのかすべてが明確です。
職人一人一人が誇りをもって一つの完成品を造るのです。
そこには、職人として仕事の結果がすべて残り、そこに住む人がいる限り後世に残るのです。
腕の良い職人達さえいれば営業マンは勿論のこと一日一回顔を出すだけの現場監督ですら不要だと私は思います。
お客様のご予算に負担をかけないように営業マンと現場監督の役割を現場にいる棟梁である私がすれば良いだけですから・・・。
普段口にする食品だって農家や漁師さんから直接買えると安心です
普段日常的に口にする食品選びも、慎重な方が増えています。
すべてを直接仕入れることは不可能ですが、我が家もなるべく誰が作ったかわかるものを口にしたいと思い、スーパーでの買い物は極力しません。お米は知り合いの農家から直接買いますし、魚は近所の魚屋さんで市場でその日に朝水揚げされたものを選んで買っています。野菜に至っては、2代目の棟梁でもある私の父が畑で作った新鮮な無農薬野菜を子供に食べさせています。究極は自給自足ということになってしまいますが、それが不可能なら可能な限り直接生産者から買うべきですね。
では、家づくりは元々誰がしてきたのでしょうか?
学生時代の社会科の歴史の授業で『奈良の東大寺は誰が建てたのでしょうか?』と言う問いに対して答えは『聖武天皇』と書けば正解でしょうが、猪名部百世(いなべのももよ)という大工の存在があったことは東大寺のホームページにも記載のある事実ですがあまり知られていません。
建てさせたのは聖武天皇で、建てたのは『大工さん』が正解だと私は未だに思っています。
ある日ハウスメーカーの仕事を専門にしている大工さんに会ったときこんな質 問をしたことがあります。
『自分が自宅を建てるときは当然今仕事しているメーカーさんで家を建てますよね?』
帰ってきた答えは『それはあり得ない』と一言。私は『・・・。』驚きで声になりませんでした。
ハウスメーカーの仕事をしている大工さんすべてがそうではないと思いますが、 自分が住みたいと思う家をたてているわけではない大工さんもいるということ です。
そうなると家づくりのプロである大工さんの住んでいる家ってどんな家でどんな家か気になりませんか? 木の家が大好きな大工さんであれば当然、材料選びから本物の自然素材にこだわります。
『百聞は一見に如かず』
私の家を見に来てください。私は、自宅を公開しています。
大工が実際に自分で建てた家、実際に住んでいる我が家をすべてお見せしてい ます。(4 人家族で生活しています)
また、2014 年に完成したショールームもいつでもご覧になれます。 その名も『一部屋ショールーム』
家づくりのプロである私も生活してわかった『もう少しこうすれば良かった』という部分や後悔した箇所も正直ございます。使って良かった材料や採用して良かったことはお勧めしたいですし、失敗などは包み隠さずお話したいのです。
『大工である私の家づくりに共感していただけるお客様と一緒になって造るリフォームがしたい』それが私のたどり着いた答えです。
大工のリフォームであなたとあなたの大切な家族を幸せにする準備と覚悟が私にはあります。
有限会社 武井建築 代表取締役 武井勝施
会社概要

社名
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有限会社 武井建築 |
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所在地 | 〒258-0019 神奈川県足柄上郡大井町金子 656 TEL:0465–82–8877/FAX:0465–82–1245 |
創業 | 昭和 25 年 |
代表者 | 代表取締役社長 武井 勝施 |
神奈川県知事許可 | (般 – 27)第81035号 |
登録団体名 |
グットリビング友の会 |